寶玉泡影

2023年 - H1350×W540

上方の詩は、金子みすゞさんの「金魚」です。

月は いきするたびごとに

あのやはらかな なつかしい

月のひかりを 吐くのです

花はいきするたびごとに

あのきよらかな かぐはしい

花のにほいを はくのです

金魚はいきするたびごとに

あのお噺の継子(ままこ)のやうに*

きれいな寶玉(たま)を はくのです

* 妹は老婆のふりをした妖精にとても親切でした。それで、その子が話すときには、彼女の口から宝石が飛び出しました。(ペローのおとぎ話から)