上方の詩は、金子みすゞさんの「金魚」です。
月は いきするたびごとに
あのやはらかな なつかしい
月のひかりを 吐くのです
花はいきするたびごとに
あのきよらかな かぐはしい
花のにほいを はくのです
金魚はいきするたびごとに
あのお噺の継子(ままこ)のやうに*
きれいな寶玉(たま)を はくのです
* 妹は老婆のふりをした妖精にとても親切でした。それで、その子が話すときには、彼女の口から宝石が飛び出しました。(ペローのおとぎ話から)