この場面は、軽業師の力で針の山に登るところです。上方の詩は、森鷗外さんの「かるわざ」の一節です。
立見塞(せ)く幕を卸(おろ)しし
薄あかり。僻(ひが)目か。あらず
見よ。子落つ、劔(つるぎ)の上に
さるをなぞ。泣きいざちこそ
聞え来ね。奥津城無言(おくつきしじま)*。
鈍き目に衆人(もろびと)見やる。
*墓場のように静かなさま