劔上無言

2023年 - H1200×W350

この場面は、軽業師の力で針の山に登るところです。上方の詩は、森鷗外さんの「かるわざ」の一節です。

立見塞(せ)く幕を卸(おろ)しし

薄あかり。僻(ひが)目か。あらず

見よ。子落つ、劔(つるぎ)の上に

さるをなぞ。泣きいざちこそ

聞え来ね。奥津城無言(おくつきしじま)*。

鈍き目に衆人(もろびと)見やる。

*墓場のように静かなさま