木雞芻狗

2024年 - H1150×W340

詩句は、「大慧普覺禪師語録」からの引用です。

僧問風穴 古曲無音韻如何和得齊

  穴云 木雞啼子夜 芻狗吠天明

僧が風穴禅師に質問した

「古代の音楽は韻を踏まないのにどうやって調和がとれるのでしょうか?」

風穴禅師が言うには

「木の鶏は夜に鳴き、わらの犬は夜明けに吠える。」

「木雞(もっけい)」とは、荘子(達生篇)の故事に由来する言葉で木彫りの鶏のように全く動じない最強の状態をさします。また、「芻狗(すうく)」は、老子(第五章)に見える言葉で、わらで作った犬は、祭礼では神聖に扱われますが、祭りが済むと藁屑として捨てられてしまいます。どちらも無心の中の真の働きをさしています。