山火幻影

2014年 - H510×W390

この絵の上方にある詩は、宮澤賢治さんの詩集「春と修羅・第二集」にある「山火」という作品です。闇の中にかすかに浮かぶ詩を紹介しましょう。

蛙は遠くでかすかにさやぎ

もいちどねぐらにはばたく鳥と

星のまはりの青い暈(かさ)

……山火はけぶり

        山火はけぶり……

半霄(はんしょう)くらい稲光りから

わづかに風が洗はれる