48歳の時に癌により胃全部と周辺のリンパ節4分の3および脾臓を摘出。以前に胆嚢も摘出していたので、「五臓六腑」ならぬ「四臓四腑」の身となりました。
こんな身体で生きていけるのかと、傷心の日々を送っていた時に、ふと目にした水墨画教室の案内。それがわたしと水墨画との出会いを導いてくれました。「人間万事塞翁が馬」とはよく言ったもので、逆境の後に、幸運が待ち受けていることもあります。小川華瓣先生が筆を揮われると、筆の先から風がそよぎ、雲が湧き出でるような不思議な感覚を覚えました。
中国の有名な水墨画の書「芥子園画伝」にある画人謝赫の『気韻生動』という言葉。しかし、言葉としてではなく、先生が実作される姿とその作品の中にこそ、私は本当の『気韻生動』を見たのです。その『気韻生動』を自分もいつか、手に入れたいとの思いが、術後のフラフラした体と心を生き返らせてくれました。以来、二十年、自分の分身としての河童を描き続けています。
アートレス・アート
余白の美は、シンプルかつ繊細そして控えめ。描かれていない絵画こそ真の芸術。
現れていないものたちがこの世界を形づくってきたのです。姿のない風が季節をもたらし、見えない空気が命を守ります。目には見えない彼の心がその性格を形成し、さだかでない彼女の心がその顔かたちをつくります。
真実は、描かれませんが、むしろ、余白の部分に現れるのです。無色透明な水とたった一本の墨によって創出される水墨画の世界。白い画仙紙の中に、あらゆる色彩が包含されているのです。
あなたは、「河童」を信じますか?「河童」は、目には見えませんが、私の心の中に確かに存在します。もしも、あなたが見えない心の奥底をみつめるならば、きっと、あなたの可愛い「河童」を発見することでしょう。
略歴
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2004年6月
和歌山県水墨画協会会長の小川華瓣先生が主宰する水墨画教室「華水会」に入門
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2004年9月
華水会展に水墨画「万里の書」を出展
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2006年5月
「騎牛帰家」 を和歌山県水墨画協会展に出展
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2006年9月
「壺中之仙」 を華水会展に出展
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2007年5月
「河伯洗心」 を和歌山県水墨画協会展に出展
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2007年9月
「月下獨學」 を華水会展に出展
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2008年5月
「脚下無鯰」 を和歌山県水墨画協会展に出展
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2008年9月
「一睡之梦」 を華水会展に出展
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2009年5月
和歌山県水墨画協会展に「喫茶去」を出展
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2009年9月
「星の林に」 を華水会展に出展
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2010年5月
和歌山県水墨画協会展に「破草草鞋」を出展
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2010年9月
「如何進歩」 を華水会展に出展
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2011年5月
和歌山県水墨画協会展に「歳時記春」を出展
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2011年9月
「胡朗月行」 を華水会展に出展
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2012年5月
和歌山県水墨画協会展に「楓橋夜泊」を出展
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2012年9月
「三酔図」 を華水会展に出展
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2013年5月
「駒引考」 を和歌山県水墨画協会展に出展
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2013年9月
「其中一人」 を華水会展に出展
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2014年5月
「春望詞」を和歌山県水墨画協会展に出展
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2014年7月
「古道幻想」 を創作
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2014年9月
「山火幻影」を華水会展に出展
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2015年2月
芸術新聞社から書籍 「河童画巻」を出版
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2015年5月
「白雲深處」 を和歌山県水墨画協会展に出展
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2015年9月
「飄電雨聲」 を華水会展に出展
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2016年4月
京都市勧業館「みやこめっせ」美術工芸ギャラリーにて個展「河童画巻展」を開催
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2016年5月
「師遠得牛」 を和歌山県水墨画協会展に出展
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2016年9月
「笑指灰中」 を華水会展に出展
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2017年4月
岸和田市立図書館企画展として、ガラス展示コーナーに水墨画約50点を7月30日まで展示
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2017年5月
和歌山県水墨画協会展に「天眞無心」を出展
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2017年7月
企画展に関する講演会を岸和田市立図書館本館で開催
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2017年9月
華水会展に 「月夜沁心」 を華水会展に出展
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2018年5月
「況悪人乎」 を和歌山県水墨画協会展に出展
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2018年9月
「石佛無言」 を華水会展に出展
- 2019年3月
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2019年5月
「感秋讀書」 を創作
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2019年7月
「大哉心乎」 を創作
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2020年4月
「雲外蒼天」 を創作
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2020年7月
「三聖三笑」 を創作
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2020年10月
「初恋偲夜」 を華水会展に出展
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2021年1月
「釣閑酔夢」 を創作
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2021年8月
デザインエッグから江戸版本「古老軍物語」を翻刻出版
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2021年9月
デザインエッグから江戸版本「名所和歌物語」を翻刻出版
「三聖三笑」 を華水会展に出展 -
2021年10月
デザインエッグから江戸版本「鬼一法眼虎の巻」を翻刻出版
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2021年12月
デザインエッグから江戸版本「諸国百物語」を翻刻出版
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2022年1月
「互憶回文」 を創作
デザインエッグから江戸版本「一休諸國物語圖繪」を翻刻出版 -
2022年2月
「稲熟醸酒」 を創作
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2022年3月
「度驢度馬」 を創作
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2022年5月
「歓喜踊躍」 を創作
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2022年6月
「蝸牛独歩」 を創作
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2022年7月
「遊兮九河」 を華水会展に出展
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2022年7月
「夏日夢想」 を創作
- 2022年11月
- 2022年12月
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2023年1月
「讀書三到」 を創作
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2023年2月
「陶潜責子」 を創作
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2023年4月
デザインエッグから江戸写本「茗話記」を翻刻出版
- 2023年5月
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2023年6月
「虹都光港」 を創作
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2023年7月
「寶玉泡影」 を創作
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2023年8月
「雀羅哀情」 を創作
- 2023年9月
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2023年10月
「五風十雨」 を創作
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2023年11月
「布袋指月」 を創作
- 2023年12月
- 2024年1月
- 2024年2月
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2024年3月
和歌山城ホール展示室にて個展「河童画巻展」を開催